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【2015年】
● 人口減少、中核市移行、財政体質、社会保障 ─ 藤岡理事長に聞く (2015年4月)
【2014年】
● 定時社員総会開催 (2014年3月)
● 3/12「環境学習会(出前講座)」 (2014年3月)
● 2014年度 八王子自治研究センター総会開催 (2014年1月)
● 第5回高齢者支援・共助の街づくりシンポジウム開催 (2014年1月)
【2013年】
● はちこ会 子育て・子育ちを考えるセミナー (2013年3月)
● 12/8 八王子自治研究センター総会開催 (2013年1月)
【2012年】
● 第34回地方自治研集会in神戸 (2012年10月)
● 「高齢者支援・共助のまちづくりを考える市民の集い」開催のお知らせ (2012年10月)
● 中核市移行に関する協議、地方分権推進の立場で職場からの参加を (2012年8月)
● はちこ会 市民集会を開催 (2012年3月)
【2011年】
● 2012年度 八王子自治研究センター総会開催 (2011年12月)
● 八王子自治研センター総会開催 (2011年1月)
【2010年】
● 八王子自治研究センターの取り組み (2010年7月)
【2004年】
● 八王子自治研究センターについて (2004年2月)


八王子自治研究センター、藤岡理事長に聞く

 八王子自治研究センターは、昨年設立30周年を迎え、任意団体から一般社団法人となり、地方自治の調査研究を進めるローカルシンクタンクとして活動しています。
 今回は、八王子自治研究センター藤岡理事長から八王子の街づくりなどお話を伺いました。
 聞き手は、岩田副委員長です。


▲写真左:藤岡理事長
 写真右:岩田副委員長

《岩田副委員長》
 今日はよろしくお願いします。最初に東京段階でも問題になっている人口減少問題についてどう考えてますか。

《藤岡理事長》
 いきなり難しい問題ですね。おてやわらかにお願いします。(笑)
 そうですね、この問題というか現実を考える時、人口減少=地域の衰退、反対に人口増=地域の発展と単純に考えるのは間違いだと思います。そうではなくて暮らしやすい地域なのか、地域に根差した産業や雇用が生み出されているのか、その地域固有の歴史や文化といった心の帰属性みたいなものが大事にされているかどうか、といったことが地域の良さだと思うのです。よく「持続的な街づくり」と言いますが、人口が増え続け、財政規模が拡大し続けることはあり得ません。経済成長しか幸福の物差しがない社会は不幸だと思いますね。

《岩田副委員長》
 東京自治研究センターの人口減少社会のセミナーも同じ考え方ですか。

《藤岡理事長》
 八王子市の職員もセミナーに参加していただきました。そこでの議論は、「日本の人口減少は4年前から始まっている。一方、東京を中心とした都市への集中は続いている。しかし、国も東京都も、東京集中政策を転換するどころかむしろ強めている。そのことによって、あちこちにひずみが出てきた。たとえば八王子もそうですが、東京の空き家、空き地問題も深刻な状況になっている」といった主旨で、将来の人口予測なども検討しました。




《岩田副委員長》
 中核市への移行はどう考えてますか。

《藤岡理事長》
 中核市については、20年来の経過があり、その背景には東京都の特異な広域行政も影響しました。
 今一番気を付けなければならないことは八王子市の財政問題でしょうね。ご承知の通り、中核市制度に財源の移譲はありません。必要経費は地方交付税で賄うことになっていますが、八王子市はそれだけでは足りず、臨時財政対策債という地方債で対処しました。中核市市長会も財源移譲を一番強く主張していますが、地方財政計画は厳しくなる一方でしょう。

《岩田副委員長》
 臨時財政対策債は分かりにくい制度ですね。

《藤岡理事長》
 今発行している自治研究センター通信bXに詳しく説明してありますが、事後に地方交付税で補てんされるにしても地方債に変わりありません。国債も地方債も基本的には資金調達制度です。それも臨時的な。
 そのお金で、中核市としてなすべき恒常的経費を賄うとすれば、財政規律とかプライマリーバランスという言葉は死語となってしまいます。現に総務省も、「地方財政を健全化させるために臨時財政対策債を大幅に抑制」と言ってます。「ワンランク上の街づくり」という表現も違和感がありますが、最低限そうした(臨時財政対策債などの)説明責任を果たすべきでしょう。
 外部監査もこうした基本的な問題を指摘すべきです。




《岩田副委員長》
 社会保障制度が4月から変わりますが。

《藤岡理事長》
 増加する社会保障費に対応するため昨年4月から消費税を引き上げ、「税と社会保障の一体改革」が始まっています。しかし、高齢者施策にしても格差や貧困対策にしても一方的な負担増給付減が目立ちますね。生活保護費の削減も大きな問題です。いずれにしても民生費の削減は新たな社会問題を生み出し、そのしわ寄せは自治体行政に突き付けられます。
 10年以上前に「ニート」が問題になりましたが、今はもっと深刻化しています。核家族化から核個人化していますね。孤立と貧困が重なり合い、景気動向の数字には見えにくい、行き場がない人々が増えています。高度成長期であれば、ある程度の自己責任論は通用しますが、成熟期・低成長期の自己責任は社会からの排除になります。つまり、社会保障の根幹が問われているということですね。







《岩田副委員長》
 八王子自治研究センターは、昨年設立30周年を迎えました。今後の課題や統一自治体選挙について如何でしょうか。

《藤岡理事長》
 30周年というよりも、今年は戦後70年の大きな節目です。戦後の前半は戦災復興から高度成長の時代、後半は高齢化、低成長の時代、そしてこれからは人口減少社会となります。現実社会をとらえる時、こうした時間軸を認識しておくことが大切だと思います。自治研究センターでは、行政の流れや市民の動きを記録にとどめ次世代に継承する「市民史・行政史記録継承事業」を始めました。歴史を次世代に伝える作業も私たちの責任だということです。
 市議選を見ていると、地元のことだけ訴え、空手形に近い約束ばかりしている候補者が大半ですね。こうした人たちは、当選した後、政策の是非よりも地元に予算を落とすことが最優先になり、結局行政の言いなりになるのが地方議会の弱点です。これからの議員には、財政の依存体質や地域で実効性がある社会保障の実現など具体的な政策発信を期待したいですね。

《岩田副委員長》
 今日は人口減少、中核市、財政体質、社会保障といった八王子市の基本問題についてお伺いしました。ありがとうございました。

(機関紙「はちおうじ」537号/2015.4.1

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