【パート労働法】

 93年6月に成立した法律で,正式には「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」とよばれる。短時間労働者とは,「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者に比し短い労働者」のことを指す。法律の目的は,労働条件の適正化,教育訓練の実施,福利厚生の充実,職業能力の開発・向上などを図ることである。

【廃掃法の改正】

 91年に引き続き,97年6月に一部改正された。最終処分場の残余年数の逼迫,不法投棄の増大に対して,適正処理を行い,最終処分場をめぐるさまざまな問題を解決することを目的に行われた。具体的な改正内容は,(1)廃棄物の多量排出者に対する計画的減量の推進,(2)処分場の設置に関しての手続きの明確化と市町村・住民からの意見聴取,情報公開,(3)処分場の適正な維持管理,(4)処理業者の許可要件の強化,(5)不法投棄防止のためのマニフェスト制度の拡充,罰則の強化,原状回復のための基金の創設など。自治労は,資源循環・環境保全型廃棄物行政の確立のため,臨時中執を配置。参議院・衆議院を通して,排出者の責任追及,公共関与による適正処理,不法投棄防止のためのマニフェスト管理システムの強化など主張した。

【旗開き・旗納め】

 「旗開き」は組合の年始め,「旗納め」は組合の年納め。

【バリアフリー】

 障害者や高齢者などが社会生活していく上で障壁(バリア)となるものを除去すること。もともとは施設や設備における段差解消などハード面だけでなく,障害者の社会参加を困難にするあらゆる場面での障害の除去を含んでいる。2000年11月には「高齢者,身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(交通バリアフリー法)が施行され,新たにつくられる施設,車輛に対し,エレベーター,エスカレーターの設置,誘導警告ブロックの敷設,身体障害者用のトイレの設置等を公共交通事業者に義務づけている。

【反核・反原発】

 自治労の取り組みの主要な課題のひとつ。青森県六ヶ所村の核燃サイクル建設反対,福井県敦賀の高速増殖炉「もんじゅ」運転反対のほか,核燃輸送の監視,追跡行動などを各地で市民団体と共同してとりくんでいる。

【反合】

 反合理化の略語。反合闘争と賃金闘争が日本の労働運動の主要な課題とされてきた。

【PSI(国際公務労連)】

 世界147ヶ国,603組織,約2,000万人が加盟しており,日本からは自治労,国公連合,全水道,都市交,ヘルスケア労協が加盟している。世界各国の公共サービス労働者の利益を擁護し,その経済的,社会的地位向上をはかるための活動をしている。

【PSI―APRO(PSIアジア太平洋地域組織)】

 PSIの4つの地域(アジア・太平洋,ヨーロッパ,アフリカ・アラブ,米州)のひとつ。25ヶ国,1国際組織,117組合,280万人で構成している。アジア・太平洋地域の議長を自治労委員長が兼任している。

【PFI】

 Private Finance Initiativeの略称で,社会資本の整備や公共サービスの提供に際して,可能な限り民間の資金や経営ノウハウ,技術を活用し効果的な公共サービスの提供をはかるという考えに立つもの。公共サービスの民営化手法のひとつ。イギリスで公共事業の効率化を目指して,道路,病院,ごみ処理施設,刑務所等を民間主導で整備したのがはじまり。公共部門の関与を計画と監督にとどめ,民間が収益性を計算して運営することで,事業の効率的な運営を進めるのが目的。システムの特徴は,行政と民間のリスク分担を予め詳細に契約で定めることにあるが,行政と民間の役割分担の明確化,事業選択における透明性,情報公開,公正な手続き,市民合意などの課題がある。日本でも,97年11月の緊急経済対策や98年4月の総合経済対策に盛り込まれ,99年「PFI推進法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)」が成立し,施行されている。

【非核自治体宣言】

 地方自治体が議会を通じて,反核の意志を非核宣言として表明するもので,1958年6月,愛知県半田市が最初に行った。1980年11月,英国マンチェスターの市評議会が非核宣言を出して以来,この運動は世界中に急速に広がり,それが日本に逆輸入された形で国内の非核自治体宣言都市の数は急増し,1996年7月現在で非核自治体の数は2,179自治体になった。この日各自治体宣言を行った自治体を集めて,毎年「非核宣言自治体全国大会」が開催されている。

【被爆者援護法】

 1994年12月に成立し,95年7月から施行された。これまでの原爆医療法,被爆者特別措置法の2法はこの新法に一本化された。被爆直後の死没者にまでさかのぼってその遺族に1人10万円の特別葬祭給付金を支給することなどを柱にしている。しかし,国の戦争責任に基づく「国家補償」が明記されなかった点,在日韓国・朝鮮人などの旧植民地出身者に対する補償がおこなわれない点など,不十分な点も多い。

【標準労働者】

 連合賃金政策(93年)では,「標準的に昇進昇格した基幹労働者」または「学卒直入の勤続者」と定めている。自治労は「標準的に昇進昇格した行(一)表適用一般職の高校卒直採用者」とし,勤続・年齢別では,18歳初任給および35歳のポイント賃金を設定している。

【123号通知】

 81年に厚生省(当時)社会局保護課長・監査指導課長が出した「生活保護の適正実施の推進について」の通知。これにより,すべての保護申請と被保護者に対して関係先への調査を「いつでも,どこでも,いつまでも」行える「同意書」の提出を義務付けられた。厳しい受給抑制が生じ,全国各地で生活保護に関する事件・訴訟が発生,ホームレスの人々をはじめ必要な人が受給できないなどの状況にある。

【ビラ】

 おもに宣伝用,アピール用につくる小さな(A4判かB4判)印刷物で,不定期に発行するものをいう。「ちらし(散らし)」と同じ意味。ビラは労働組合の教宣活動の一手段であり,機関紙・誌の補助的役割を果たしているが「教育」「宣伝」という面より「扇動」の役目を強く持っている。

【フェニックス】

 大都市部は人口,産業が集中し廃棄物も多く排出されている。しかし,一方で土地の高騰,住民運動,費用問題などで処分場の確保は極めて困難となっている。特に,個別の自治体では限界に近づき,適正処理を維持できないような状況ももたらしている。そのため,自治体が協力し合い,共同で海上に最終埋め立て処分場を建設し,廃棄物を長期安定的に適正処理することを目的に作られた。現在,運営されているのは,近畿圏の廃棄物を受け入れている「大阪湾フェニックス計画」。1995年の阪神・淡路大震災の時は,災害廃棄物を受け入れた。

【不当労働行為】

 使用者が労働者の団結権,団体交渉権,団体行動権の労働三権を侵害する行為をいう。わが国の不当労働行為制度は,憲法第28条の労働基本権保障を具体化したもので,労働者の団結権の積極的な保護措置として定められた。労組法が不当労働行為とするのは,(1)組合活動への参加を理由とするいっさいの不利益待遇,(2)組合加入をさまたげる行為,(3)団体交渉の拒否,(4)組合結成,運営に支配介入すること,等々。
 労働組合(または労働者)から不当労働行為の救済申し立てがあったとき,労働委員会は審査をし,使用者側にその事実が認められたときには救済命令が発せられる。そして,労働者を不当労働行為がなかった状態にもどさせ,使用者に対し,謝罪及びこれを繰り返さない旨誓約を公示させる。

【ふたつの法定最低賃金】

1) 地域別最低賃金
 (1)各都道府県ごとに設定。当該県で働くすべての労働者に適用される。
 (2)7月中旬に中央審議会が決定する水準改訂の「目安」を参考に,各都道府県ごとに審議会が決定する。
 (3)98年度水準=全国47都道府県加重平均日額5,167円
2) 産業別最低賃金
 (1)各都道府県ごとの,最賃設定の必要性が認められた業種に働く基幹的な労働者に適用される。
 (2)当該県の当該業種労使が論議して水準を決定。公益委員・行政はオブザーバー的役割を担う。
 (3)98年度水準=全国247件加重平均日額5,888円

【PUMA(公共管理委員会)】

 OECDの公共政策と統治に関する訓練プログラムを90年から実施している委員会で,民主主義,経済発展,社会的結合,環境の持続可能性などを総合した「良い統治」を目指している。透明性や説明責任を拡大し,公的機関としての信用を高めるための政策評価などを実施している。PUMAは委員会とプログラムの両方の略称として使われている。

【部落解放基本法】

 部落差別を解消するための法律として,1969年に「同和対策特別措置法」が10年の時限立法として制定され,以降事業縮小をともないながらも「延長」されてきた。この法律は環境改善などハード面の事業を中心とした者だったため,環境面については一定の改善を見たが,教育,啓発,就労などのソフト面での対策が遅れ,総合的な施策を可能とする法の必要性がさけばれた。また,差別を商う行為や就職差別については法律で規制する必要があることから,これらを総合して「部落解放基本法」の制定を要求する運動が高まった。その成果として,これまでの事業法については1997年3月,対象事業もしぼりこまれたが5年の期間で延長になった。また,1996年12月には「人権擁護施策推進法」が制定された。今後,「人権擁護施策推進法」に基づいて設置される審議会において審議される「教育・啓発」「人権侵害救済」について,実効性のある法制定にむけた取り組みが必要とされている。

【プルサーマル計画】

 余剰プルトニウムを処理する方法のひとつとして,熱中性子(サーマル・ニュートロン)を利用する軽水炉などで,ウランとプルトニウムの混合酸化物でつくった「MOX燃料」を燃焼されようとする計画。この方法はプルトニウムの利用効率としては最低といわれており,コストも極めて高くなることが予想されている。また,安全性についても,重大な原子炉事故が発生する可能性を増大させる点など,問題点が指摘されている。

【フレックスタイム制】

 総労働時間の短縮や公務員労働者の福祉の増大などを目的に,1.コアタイムを設けたフレックスタイム制,2.職種は原則として研究職,3.精算期間は4週間を主たる内容としている。

【分煙対策】

 現在進められている公務職場の分煙対策の代表例は,平成8年6月より人事院に設置された「公務職場における喫煙対策に関する指針作成検討会」である。会は6回の検討を行い,平成9年4月に人事院から各省庁の長に対して通知として指針が出され,受動喫煙(他人のたばこの煙による間接的な喫煙)の影響を排除するための具体的改善案などを示している。

【分権市民フォーラム】

 分権市民フォーラムは,市民自治の原則にたった分権社会の実現を目的として,篠原 一(東京大学名誉教授,川崎市民アカデミー),原 輝恵(日本婦人有権者同盟)を代表呼び掛け人とし,黒沢丈夫群馬県上野村長(全国町村会会長),山内徳信沖縄県読谷村長をはじめとする呼び掛け人で発足した市民団体。自治労とは,提携関係をもつ。1995年12月発足。これまで,国会議員の分権度調査,自治体の分権度チェックを実施してきた。地方分権推進委員会に対しては,自主条例,立法統制,自治体責任という自治3原則を尊重すべきとする「第1次勧告に対する私たちの要望」を取りまとめ(96年11月14日),また,地方自治法を市民自治,地方分権に相応しく改正すべきとする「地方自治制度改正の提案」(97年3月18日)を地方分権推進委員会に提出した。

【分限処分】

 地方公務員法(地公法)27条2項に基づく処分のこと。同条は自治体職員の免職・休職・失職・降任といった処分事由を明記している(たとえば刑事事件として起訴されたら休職になる)。この条文は,各自治体で処分事由を制限・緩和する条例の制定を認めているため,自治労は自治体職員の身分を守る運動として,各自治体に対し条例の制定を進めている。

【分限特例条例の自治労モデル】

 自治労で提起している分限特例条例のモデル案は次のとおり。
 ○○県(市町村)分限条例
 (失職の特例)
 第○○条 任命権者は,法16条第2号に該当するにいたった職員のうち,その罪が刑の執行を猶予されたものについては情状によりその職を失わないものとすることができる。

【平和フォーラム】

 99年10月に発足した「フォーラム平和・人権・環境」の略称。「戦争も核もない平和な,そして人権が遵守され環境保護の確立された21世紀を創ること」を目的に設立された。市民団体,労働組合,個人会員で構成されている。

【ヘルスプロモーション】

 WHOの新たな健康戦略として提唱された理念(Health Promotion:86年オタワ憲章)で,「人びとが自らの健康をコントロールし,改善することができるようにするプロセスである」と定義されている。日本では,ヘルスプロモーションは「健康増進」とか「健康づくり」と訳されている場合が多いが,オタワ憲章では,健康を支援する環境づくりなどが入っている。

【保育所・学童保育の実態調査・点検表】

 乳児の待機解消,延長保育の拡充,学童保育の拡充を求める意見が多くある。これらについては,地域実態・ニーズを十分に把握して,対応することが求められている。ニーズへの積極的な対応を市町村に求めるとともに,公立保育所での実施や学童保育の拡充に向けての検討が求められている。
 今,多くの単組・職場で実態調査の取り組みが展開されているが,99年2月,保育部会を中心に,自治労として,職場での保育・学童ニーズと対応の取り組み推進にむけて「保育所・学童保育実態調査(案)」をまとめた。これらを活用して,職場・単組で保育ニーズの点検を行うとともに,体制の確保や補助事業の活用や独自補助事業の拡充をはかり,具体化をはかっていくことが求められている。
 保育所の調査項目は,定員と利用児童数,職員数,開所時間,賃金,地域ニーズに応じた保育の実施状況,給食の状況,保育所へのニーズなどをあげている。
 学童保育の調査項目は,設置状況,運営主体,施設状況,実施日,職員の労働条件,地域ニーズなどをあげている。

【包括的核実験禁止条約】

 1996年9月10日,国連総会は包括的核実験禁止条約(CTBT)を採択した。この条約は核兵器の実験をはじめとするあらゆる核爆発を禁止するとともに,その順守を確保するための検証手段を定めている。しかし,実際の核爆発を伴わない未臨界実験などが禁止対象になっていないため,これらの技術を持っている国は,依然として核兵器の性能の維持・向上を図ることが出来るという問題もある。

【北東アジアの非核地帯化】

 1996年4月,カイロでアフリカ大陸とその周辺の島々を非核地帯とする「アフリカ非核地帯条約(ペリンダバ条約)」が結ばれた。これによて,すでに1967年,キューバ危機に触発されて結ばれた,世界最初の非核地帯条約である「ラテンアメリカ非核地帯条約(トラテロルコ条約)」や,1985年に結ばれた「南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)」などによって,地球の南半球の陸地は全て非核地帯となった。アジアにおいては,95年12月,バンコクで「東南アジア非核地帯条約」が東南アジア諸国連合(ASEAN)が中心となって結ばれている。北東アジアの非核地帯の実現は,非核地帯を北半球に広げるのに大きな役割を果たすことになる。南北朝鮮の間にある「朝鮮半島非核化共同宣言」や日本の非核三原則などは極東地域を国際的非核地帯としてつなぐ基礎となるものなるだろう。

【ポジティブ・アクション】

 過去の社会構造的な差別によって現在不利益を被っている集団に対し,一定の範囲で特別な機会を提供する等により,実質的な機会均等などの実現を目的とした暫定的特別措置(積極的差別是正措置)のこと。ポジティブ・アクションはヨーロッパで,アファーマティブ・アクションは,アメリカやオーストラリアで主に使われている。


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