【解雇】

 本人の意思に反して,使用者が雇用契約を解約する意志表示をすること。労働基準法では,罰則つきで制約されている。使用者は,30日前に解雇を予告(告知)するか,または,30日分以上の平均賃金を支払わなければ解雇できない。解雇権の乱用は無効であり,解雇には正統な理由が必要とされる。

【外国人登録法】

 日本に住む外国人に対し登録を実施し,外国人の居住,身分関係を明確にする法律。この法律により日本に住む外国人は外国人登録証明書の交付を受けねばならない(5年ごと)。さらに永住者・特別永住者を除いて,16歳以上で日本に1年以上在住する外国人には指紋押捺が義務づけられている。92年5月に改訂がなされたが,法務省は指紋押捺制度・外国人登録証の常時携帯義家など引続き行うとしており,外国人を治安管理の対象とする基本的な考え方は変わっていない。

【外国籍市民の地方参政権】

 1992年2月28日,最高裁判所は「定住外国人への地方参政権付与は憲法上禁止されていない」旨の判決を出し,立法政策の問題であるとの判断をくだした。判決を受け,各政党が議論を開始したが,当時の村山政権の与党である社会党,新党さきがけは積極的な姿勢を示し,与党3党の協議機関である政治改革協議会で具体的対応を求めた。しかし,自民党が「相互主義」などを主張して譲らず,結局9月の政治改革協議会で先送りにすることが決定された。日本に定住する外国人市民は,社会の構成員として納税の義務を果たし,地域社会の一員としての役割を担うとともに,日本の社会,文化,経済などの多くの分野で活躍している。これらの外国人市民の間でも地方参政権を求める声が日増しに高まっているところであり,住民生活にかかわりの深い地方自治体の選挙に参加することを当然の権利として要求している。海外では,北欧諸国やオランダでは選挙権・被選挙権とも認めている例もある。

【介護の社会化をすすめる1万人市民委員会】

 市民委員会は,1996年9月4日結成され,会員数は現在3,000名を越え,代表は堀田力(財団法人さわやか福祉財団理事長),樋口恵子(東京家政大学教授)である。
 設立の文書によると,設立の趣旨は,「介護の社会化を進めるため,介護保険法案の市民修正,介護の社会化を求める市民は多数派であることの明確化,市民の自前の力と自前の金による,主体的なNPOづくり」であり,提案として,「?新ゴールドプランの見直し,スーパーゴールドプランの策定と市民参加,?介護保険法案の修正」,活動として,「?介護保険法案の修正成立,?情報戦略活動,?専門プロジェクトによる活動」となっている。
 委員会の活動は,全国的に拡大し,衆議院段階における「事業計画への市民参加」という法案修正について,また介護保険成立にむけても,大きな役割を果たしている。
 今後介護保険法成立,各自治体における具体化の取り組みにおいて重要な役割を果たすことが予測される。
 自治労は,市民委員会と連携した取り組みを行うと同時に組合員の市民委員会への参加を呼びかけている。

【確定闘争】

 人事委員会勧告から賃金決定までの時期の闘いをいう。例えば,都道府県,政令指定都市の人事委員会が出す勧告に基づき労使で交渉し,決定した内容を条例などで決める。この勧告時期から,早期決着・支払いをめざして賃金が決まるまでの間の闘いをいう。毎年10月に全国的統一闘争としての県本部の統一闘争を集中させ,県地方課,市長会,町村会交渉などを行っている。自治体賃金交渉の条件を醸成するため本部は産別統一闘争を背景に対自治省交渉を強化している。

【学校評議員制度】

 地方分権推進の一環として,学校運営に関する校長の権限と責任にもとづき,「地域住民の学校運営への参画」「地域に開かれた学校づくり」をめざし,地域社会から有識者,青少年団体の関係者等の参加・協力を得る新たな制度。98年9月の中教審答申「今後の地方教育行政のあり方について」おいて提言された。地域に根差す新たな学校づくりを進めるきっかけになる可能性があると期待されている。しかし,運用は校長権限が強いため,更に柔軟な開かれた組織が必要であるとして,自治労は,子ども,保護者,地域団体,地域市民,教職員などの代表からなる学校協議会制度を提案している。

【GATS協定(サービス貿易に関する一般協定)】

 貿易に関する国際ルールを定めた協定のひとつで,WTO(WTOの項参照)がその実施・運用を行う。この協定は,医療・社会保障・教育・水供給など公共サービスを含む,あらゆるサービスを対象にしており,この分野への規制や補助金などによる政府の関与が制限される。WTOは自由貿易を進める立場から,公共の利益を損ねる危険性のあるGATS協定の拡大をめざし,交渉を進めようとしている。

【カットオフ(兵器用核分裂性物質の 製造禁止条約)】

 兵器用核分裂性物質の生産禁止に関する条約。核兵器の材料となる高濃縮ウランやプルトニウムの生産停止を目的とする条約であるが,正式の交渉はまだ開始されていない。アメリカ,ロシア,イギリス,フランスはすでに生産停止を宣言しているが,中国はしておらず,交渉の開始は困難視されている。

【合併浄化〔処理〕槽】

 し尿だけでなく,台所や風呂などの生活排水も一緒に処理する浄化槽のこと。下水道のない山間部などでは家庭排水による河川や湖水,地下水の汚濁が問題となっているが,その対策として注目されていている。自治労は,下水道事業の推進と平行してこの合併浄化槽の個人導入(自治体に補助金を出させる)の取り組みを進めている。

【家電リサイクル法】

 2001年4月全面施行となった特定家庭用機器再商品化法のこと。使用済家電製品について,約8割が小売業者,2割が直接市町村によって回収され,その半分は直接埋めたて,残りは破砕処理され埋立てられているため埋立地が逼迫していることから,メーカーおよび小売業者に廃棄物の減量と有用な部品・素材の再商品化を義務付けた。対象商品はテレビ,冷蔵庫,洗濯機,エアコンの4品目。消費者に処理料の負担が求められているため,不法投棄の増加が懸念されている。

【環境自治体】

 自治労の自治研推進委員会が1991年10月にまとめた「環境自治体をめざして」と題する報告書で造られた言葉で,自治体の政策や活動についてエコロジカルな診断と改革を行うこと。環境委員会の新設など「自治体運営の環境10原則」が提案されている。企業を対象にした環境診断はこれまでも市民グループなどは行っているが,「自治体」版はこれが初めて。市民1人当たりのゴミ量や,エネルギー自給のための政策の有無など,およそ10〜20項目の環境度を測る指標が示されている。

【機関紙「じちろう」】

 自治労中央本部の発行している新聞。毎月3回,1の日に発行(旬刊)。
 組合員5人に一部で,24万9千部を発行,タブロイド版8ページ。

【企業手当に関する東京地裁・高裁判決】

 1996年4月,業務手当を違法・不当として,平成4年度から7年度までの業務手当約130億円について,当該年次の東京水道局長に対し損害賠償請求(住民訴訟)がされた。これに対し,98年6月東京地裁(132号),99年2月東京高裁(136号)において,「平成4年度から平成6年度までの請求については却下,平成7年度までの請求については棄却する」という判決が下った。業務手当の返還請求が認められなかった点や業務手当の正当性が認められた点で評価される。【規制改革推進3か年計画】
 2001年度から3年間の政府の規制緩和方針となる計画で,2001年3月末に閣議決定された。政府は1995年度から3年ごとに計画を策定しているが,2001年度からの計画では経済的規制の廃止・緩和だけでなく,教育や医療・福祉,環境などの社会的規制の改革に力点を置いているのが特徴。学年にこだわらず,習熟度に合わせる学習制度の検討や,医療機関の広告規制の見直しなども盛り込まれている。

【議長】

 集会,大会などで議事を進行する権限と義務をもつ人の意味と,**評議会,**共闘などの代表者をさす場合の2とおりがある。前者の場合は,大会の始まるときに選ばれ,大会が終われば解任される。後者の場合はその団体の決めた1年なり2年の任期を務める。

【基本給】

 基準内給与ともいう。賃金体系の内での中核となる部分で,公務員の場合は本俸,扶養手当,調整手当から成り,一時金の算定基礎となる。俗に「三者ベース」と称する。

【基本的人権】

 人間が生まれながらに平等に持っている基本的権利のこと。その内容は,生命・財産・思想・信仰・言論・出版・結社の自由などの権利である。
 近代自然法思想にもとづく市民革命のなかで確立した。イギリスの権利章典,アメリカの独立宣言,フランスの人権宣言などで法文化され,その後の労働者の闘いのなかで団結権,ストライキ権,労働権,生存権も基本的人権に加えられた。しかし,これらの権利がどれだけ保証されるかは,それを要求する労働者の闘いにかかっている。

【休暇】

 一般に週休日のほかに,休めの日のこと。年次有給休暇・特別休暇・病気休暇・介護休暇の4つを定めている自治体が多い。年次有給休暇は,年間で一定の日数につき,有給で休める日。労働基準法第39条では,6ヶ月間継続勤務をし,全労働日の8割以上出勤した者に10労働日の有給休暇,以降継続勤務年数1年ごとに1労働日を加算し,総日数が20労働日まで有給休暇を与えなければならないとしている。また,特別休暇として多くの自治体では,労基法で定められた生理休暇,産前産後の休暇のほか,慶弔休暇,結婚休暇,育児休暇,配偶者の出産休暇,夏季休暇,年末年始休暇,天災休暇,公民権の行使に必要な時間,ボランティア休暇などを定めている。

【休憩】

 労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間のこと。労働基準法第34条では,労働時間が6時間をこえる場合には少なくとも45分,労働時間が8時間をこえる場合には少なくとも1時間の休憩時間を使用者は労働時間の中途に与えなければならないと規定している。なお,休憩時間はいっせいに与えるのが原則だが,例外的に,行政官庁の許可をうけた場合はその限りではない。

【休日】

 労働義務がなく,使用者の拘束をうけない日。1919年のベルサイユ条約で,「日曜日をなるべく休み,24時間を下らざる毎週1回の休息を与える制度」として週休制度を規定した。労基法第35条では,使用者は労働者に対して,毎週1回の休日を与えなければならないこと,また4週間を通じ4日以上の休日を与えることを規定している。労基法では,休日労働も認められているが,その場合,94年4月1日から3割5分以上の割増賃金を支払うことが定められている。

【行政手続制度】

 行政手続法は,1993月11月5日に国会で可決され同月12日に公布,94年10月1日から施行された。
 行政手続法は,許認可権の行使(行政処分)における標準処理期間の設定,許認可申請を拒否する際の理由の開示,不利益処分を行う際の弁明や聴聞の機会の保証を定めている。一方,直接の許認可権限の行使でない行政指導についても,その内容と責任者を明確にすること,行政指導に相手が従わなかったことを理由とする不利益な取り扱いの禁止,口頭での行政指導に書面の交付要求があれば従うこと,などを定めた。これによって許認可行政や行政指導の透明性の向上が期待される。ただし,同時に成立した「行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律」には,適用除外事項が多数盛り込まれるなどの問題を残している。
 行政手続法は38条で自治体に同様の措置を求めている。1998年3月31日現在の自治体の行政手続条例・要綱の制定状況については,?都道府県・政令指定都市の制定割合は100%,?市区町村の制定割合は91%となっている。しかし,市区町村については,要綱等で制定されている団体が多いため,これら自治体での「条例化」による制度の確立が求められる。

【教宣】

 労働組合用語のひとつで,「教育」と「宣伝」を略したもの。組合によってはこの両者の担当を分けているところもある。現在では,広報的な意味が強い。

【協働】

 従来の労働者と使用者といった金銭による雇用関係でない全く新しい労働関係。例えば,主婦の持つ技術を提供しあい有効に使える場所をつくろうとする生協運動などがある。

【協力・共同】

 「全労連・自治労連」が共産党の運動を労働組合に持ち込むため,単組・支部名などで自治労加盟単組などに職能分野部門を通じて,集会・署名などの共同行動を呼びかける行為。単組支部段階での組織介入を通じて自治労からの脱退,「全労連・自治労連」への加盟を狙ったもの。自治労は一切の呼びかけを拒否している。

【緊急避難権】

 労働者の安全・衛生を確保するためには,「参加する権利」「知る権利」「緊急避難する権利」の3つの権利が労働者に与えられていることが重要とされている。
 ILO161号条約にはいずれの権利も明確に規定されているが,日本はこの条約を批准していない。近年「知る権利」は広く知られているが,緊急避難権については,あまり議論になることはない。今後,参加する権利,知る権利とともに法制度の整備を求めていく必要がある。

【勤務条件条例主義】

 公務員労働者の労働条件の決定について民間労動者と大きく異なる点がこれ。地公法24条に「職員の給与,勤務時間その他の勤務条件は,条例で定める」とある。つまり議会での議決により条例化しなくてはならないということだ。だがこの規定は極端に不当,不合理な財政支出をチェックする機能を果たすために設けられたものであり,「勤務条件条例主義」といっても民間労働者と同じように労使間交渉が最大限尊重されなければならない。

【クォータ制】

 「割り当て制」のこと。アファーマティブ・アクション計画(ポジティブ・アクションの項参照)のひとつの方策。男女格差を軽減するため,委員会や審議会の構成について,一方の性の割合を固定する制度。ノルウェーなどでは,立法により一方の性を40%と定めており,ほとんどの政党が採用している。

【グリーン購入】

 再資源を積極的に利用した商品や省エネルギー効果の大きい機器類など,環境に配慮した商品を使うこと。再生資源を使った商品の需要を拡大し安定させる効果も大きい。循環型社会の形成のためには,再生品などの供給面からの取り組みに加え,需要面からの取り組みが重要であるという観点から,2000年5月に循環型社会形成推進基本法の個別法のひとつとして「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)が制定された。

【黒須 隆一(くろす りゅういち)】

 八王子市長。1942年1月20日生まれ。1975年5月より八王子市議会議員2期,1993年7月3度目の挑戦で都議会議員当選(2期)を経て,2000年1月の八王子市長選挙で,波多野市政4期・16年の政策の見直し,財政再建などを公約に当選。

【健康日本21・保健事業第4次計画】

 2000年3月に厚生省(現厚生労働省)が提示した「21世紀における国民健康づくり運動」のこと。21世紀のわが国を,すべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするため,壮年期死亡の減少,健康寿命の延伸および生活の質の向上を実現することを目的とし,2010年を目途に,栄養・食生活や身体活動・運動,心の健康づくりなどについて具体的な目標値を設定し,健康づくりの取り組みを促そうとするもの。保健事業第4次計画はこれらの実践計画。重点的な取り組みとして癌,心疾患などの生活習慣病の予防,寝たきり,痴呆などの介護を要する状態の予防がある。

【原子力安全委員会】

 原子力開発が多大な危険をともなうことから,「原子力基本法」や「原子炉等規制法」などの法律で,安全確保などの「厳格な規制」が行われており,その執行のために「原子力安全委員会」が原子力委員会から独立して設置されている。建前としては原子炉の安全審査が「ダブルチェック」の体制をとっていることになるが,安全規制を担当している原子力安全委員会には原子炉運転への監視機能はない。また,体制についても原子力安全委員会は5人の委員のうち常勤は3人にすぎず,その下にある100人ほどの専門審査委員は全員非常勤である。アメリカでは原子力推進組織から独立した機関として「原子力規制委員会」が設置されており,2,000名のスタッフをかかえている。原子力発電の安全性確保のため,日本においても「原子力安全委員会」の独立・強化が求められている。

【原子力防災特別措置法】

 原子力防災については,「災害対策基本法」に沿って,原発の立地県・周辺市町村には「原子力防災計画」がつくられ,対策がとられることとなっているが,この間の原子力関連施設における事故によって,「連絡情報体制」の不備や,防災対策が原発から8キロから10キロの範囲に限定されていることなど「事故が起きない」ことが前提となった法体系になっていることが明らかになった。原子力災害に対して,より実効性のある法整備が求められている。

【広域連合制度】

 都道府県・市町村及び特別区が議会の議決を経て,協議により規約を定めて設立する特別地方公共団体。中核市と同様に第2次行革審,第23次地方制度調査会の答申により創設が提唱されたもので,94年6月の地方自治法改正案で制度化された。広域連合は,国または都道府県からの直接の権限委譲,広域計画に関する広域連合の長の構成団体への勧告等がその献納として規定された。一部事務組合と異なり,長や議員を直接選挙することも可能となり条例の制定改廃,規約の変更等についての直接請求制度も制度化されている。
 2000年7月までに66の広域連合が設立されている。

【公営競技の交付金制度】

 公営競技の目的には「地方財政の健全化」とともに,それぞれの事業法により「自転車船舶機械産業の振興,畜産振興,体育事業その他公益の増進」などがうたわれており,その事業遂行のために売上高に応じた交付金の納付が義務付けられている。この交付金は日本自転車振興会,日本船舶振興会,日本小型自動車振興会,地方競馬全国協会へ納められ,一定の審査のもとに公益法人等に補助金として配分されるが,高級官僚の天下りポスト確保のため維持されている公益法人へ巨額の補助金が配分されているなど社会的にも批判された経緯がある。また,この交付金は「外形標準課税」と同様にたとえ赤字であってもその納付が義務づけられているため,赤字の場合は税金から交付金を支払わざるをえないという大きな矛盾が生まれる。2001年,埼玉県所沢市が交付金の支払を拒否して大きな社会問題・政治問題に発展した。

【工業用水事業における未売水問題】

 現在の工業用水道事業は,大量の未売水,未稼動水に係る負担により,非常に厳しい経営状況の下での事業運営を余儀なくされているものが数多く存在している。大幅な水需要の増加が見込めない現在,抜本的な経営改善を実現し,地方公営企業として求められる独立採算制を確保していくためには,経費節減,需要開拓などこれまでの企業努力のみならず,事業規模の適正化をはかるための取り組みが必要不可欠である。

【構造改革特区】
 政府の経済財政諮問会議が経済活性化戦略の「目玉」として打ち出したもの。そのため「構造改革特別区域法」(構造改革特区法)が,2003年4月1日に施行された。法施行から5年間,自治体などからの提案・申請,法改正,認定の作業が継続的に行われる。構造改革特区法の目的は,「地方公共団体や民間事業者などの自発的な立案により,地域の特性に応じた規制の特例を導入する特例の区域を設け,当該地域での構造改革を進める」こととされ,「経済の活性化」を狙いとするとしている。特区の申請は,自治体,民間企業,団体,個人でも可能であり,政府への申請は自治体を経由すること,自治体がその提案を取り上げない場合には理由を説明する必要があるなど,自治体の果たす役割は地域および地域経済の活性化を視野に入れた政策法務や自己決定能力を一層問われるものとなっている。2003年4月に第1弾として57件が認定されたが,その主な内容は,?3歳未満児の幼稚園入園事業,?農業者研修施設長による無料職業紹介事業,?民間事業者による特別養護老人ホーム設置事業,?自治体・農協以外の者への特定農地貸付事業,?児童養護施設の調理業務の外部委託,などとなっている。

【公務員連絡会】

 連合官公労部門の組織整備として,92年1月連合官公が発足し,国営企業部会(現業)と公務員部会(非現業)を置き,公務員部会は統一交渉団体として公務員連絡会を設置した。公務員部会および公務員連絡会構成団体は,自治労,国会総連,都市公,国税労組,税関労組など。
【公務の1,800時間】
 所定労働時間1,650時間程度,所定外労働時間150時間程度とする。そのため休日休暇(2001年の例)を週休104日,祝日15日(週休とのダブリ3日),年末年始6日(週休・祝日とのダブリ2日),夏季休暇5日,年次有給休暇20日の合計150日とし,1日の労働時間7時間30を追求する。

【合理化】

 一般には,すべての目的を達成するために最善の状態にすることであるが,労働問題では,合理化生産,産業・合理化という意をもつ。1925年ごろドイツに始まりアメリカに入っている。資本がその活動として,利潤を増やし生産を上げようとするのは本能である。このため,オート・メーション化,事務の刷新,労務管理強化などを進める。その結果は,労働者の疲労の増加,賃金,労働時間,人事,雇用に影響をもたらさないではおかない。労働者の受ける被害を最小に止める闘争,時間短縮,休日増,公害除去など積極的取り組みが必要となる。

【ゴールドプラン21】

 介護保険制度がスタートする2000年度から5年間に整備すべき介護基盤の目標を定めた政府の計画。新ゴールドプランを引き継ぐもので,遅れ気味の分野もある介護基盤整備を急ぐため目標値を大幅に上積みしている。具体的には,在宅介護の柱の一つとなるホームヘルパーを現行目標値の17万人から35万人と倍増させるほか,特別養護老人ホームは29万人分から2割増の36万人分に引き上げる。軽度の痴ほう性老人が共同生活を送るグループホームは,新ゴールドプランでは目標値を定めなかったが,最近,一定の効果があるとして介護保険制度の対象に盛り込まれたことから,3,200か所を整備するとしている。総事業規模は30兆円(国費は10兆円程度)を超える見通し。

【国際連帯救援カンパ】

 NGO(非政府組織)などと協力し,人権・環境・平和などをキーワードに,自治労の国際連帯協力活動の発展継続をめざすため,毎年行われるカンパ。連合が取り組んでいる「愛のカンパ」基金への拠出,自治労結成40周年記念事業「アジア子どもの家」プロジェクト資金,NGOと協力した自治労の国際プロジェクトの基金などに使われている。

【国籍条項】

 保健婦や看護婦などの専門職では以前から在日外国人に門戸を開いてきた自治体もあるが,いま問題となっているのは,職務上「公権力の行使」にあたる一般行政事務職への在日外国人の任用についてである。地方公務員法には日本国籍を持たない者の一般職公務員への任用を禁止する規定がないにもかかわらず,自治省の見解と行政指導によって長くその門戸は閉ざされてきた。96年,いくつかの自治体で一般行政事務職員採用の国籍条項を撤廃する動きが活発化した。当初,自治省は従来の見解を繰り返し,撤廃に否定的だったが,白川自治大臣が外国人を採用するか否かは各自治体がきめることだと述べ,撤廃の動きが加速した。97年から川崎市,大阪市,神奈川県などで昇進に条件付きで一般事務職に応募できることとなっている。
 自治労では,外国人との共生社会の創造と,有能な人材を幅広く採用するとの観点から国籍条項の撤廃運動に取り組んでおり,今後も国籍条項の完全撤廃へ向けて取り組みを進めていく。

【国民負担率】

 国民負担率とは,国・地方の租税負担に社会保障負担(国・地方の行なう年金や医療保険のための社会保険料)を加えた合計額の国民所得に対する比率であり,国民がどの程度財政経費の負担をしているかの指標である。日本の国民負担率は96年度で37.2%となり,その内訳をみると,租税負担率は91年度以降減り続け,96年度は23.1%となったが,社会保険負担率は一貫して増え続け,96年度は14.1%になった。他の先進諸国では,アメリカ36.5%(93年),イギリス48.2%(93年),ドイツ50.8%(90年),フランス62.6%(90年),スウェーデン70.0%(93年)となっている。現在のところ,これらの先進諸国と比較しても決して高くない水準にあるといえるが,今後,少子・高齢化が進展し,社会保障のための負担の急増が予想される。しかしながら,単に負担率の多少の制限では,国民の負担を増加させるにすぎず,財政構造そのものの改革を含め歳出の重点化が必要となっている。

【国連憲章】

 国連の憲法にあたる条約で56年12月に発効した。国連の目的・原則,機関,総会,紛争の平和的解決,平和の破壊・侵略行為に関する行動などを定める。2度の世界大戦の経験から,基本的人権,国際法の尊重,共同の利益の場合を除く武力の不行使などをうたっている。

【子どもの権利条約】

 子どもの生存・保護・成長を確保するための目標と戦略を国連で議論し,1989年11月20日国連総会で「子どもの権利条約」として採択された。
 わが国では,自治労・日教組・部落解放同盟・研究者などで組織する「子どもの人権保障をすすめる各界連絡協議会」(子どもの人権連)が批准を求めて取り組んだ結果,1994年5月22日159番目の批准国として発効した。
 子どもの権利条約は,18歳以下の子どもを保護の対象としてだけではなく,市民的自由の権利を行使する主体として認め,子どもの意見表明の権利がうたわれていることなどが大きな特徴である。抑圧からの解放,差別の禁止,表現や思想,良心の自由,プライバシー保護等幅広く,権利を認めた画期的な条約である。福祉のサイドからみても,児童虐待防止や,施設や児童相談所における対応過程での意見表明権の問題,さらに国際養子縁組など関係の深い条項が多い。しかし,批准にあたって,政府は,児童福祉法等の国内法の整備の必要性がないとの態度である。97年の児童福祉法改正でも,子どもの人権連・自治労は子どもの権利条約にそった改正を求めたが,具体化されていない。
 98年国連子ども権利委員会は,日本政府に子どもの権利条約批准後のヒアリングを行い,教育や子どもの権利などで勧告を行った。一方,「川崎市の子どもの権利条約の制定」や「川西市の子どもオンブズパーソン」など,自治体での取り組みは進んできている。
 引き続き,地域での具体化の取り組み,中央での児童福祉法改正の取り組みが課題となっている。

【コミュニティ・ユニオン】

 一定の範囲の地域社会を組織単位として,職種・業種・職場の違い,雇用・就労形態の違いを超えて個人・グループが混在する労働組合。地域ユニオンともいう。背景には,産業構造の転換で職種や業種が多様化し,企業別・産業別の組合からはみ出す雇用の不安定な労働者が生み出されたことにある。連合も組織拡大の方針にユニオン型運動の活用を掲げた。

【コンプライアンス(法令遵守】

 コンプライアンスとは,一般に「法令遵守」と訳される。法令が一番重要な遵守すべき中身であるからだが,コンプライアンスという言葉で遵守が求められるのは,法令に加えて,企業倫理,社内ルールといったものも含まれている。この概念は,60年代から独禁法違反,株式のインサイダー取引事件などを経験したアメリカで確立された。日本では80年代から国際的な産業スパイ事件や共産圏への不正輸出事件をきっかけに議論が高まり,とくに90年代のバブル経済崩壊後は,企業不祥事が相次いで表面化し,企業の存亡にかかわる重要課題として認識されるようになった。経済のグローバル化,経営の透明性や情報公開の要請の高まりなどから,経営者が中心となってコンプライアンスを従業員に徹底させ積極的に推進する必要性が一層高まっている。自治労本部では「不正の未然防止体制整備要綱」を作成しコンプライアンスを徹底することにした。また自治労共済ではこれとは別に「コンプライアンス・マニュアル」を制定し厳格化している。

 


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